平成20年 春期 ソフトウェア開発技術者 午前 問38

OSS(Open Source Software)を利用する上での留意点のうち、適切なものはどれか。

 ア  OSS開発者にはソフトウェアの品質を保証する責任があるので、OSSの不具合が原因で障害が発生したとき、利用者はOSS開発者に対し損害賠償を請求することができる。
 イ  OSSの利用分野を経理システムなどに限定することによって、OSS又はOSS関連のソフトウェアを、ソースコード非公開にして提供することができる。
 ウ  OSSを商用ソフトウェアに組み込んだ場合には、ライセンスによっては商用ソフトウェアのソースコードを公開することが求められる。
 エ  OSSを変更して新しいOSSを提供する場合は、ライセンス条件にかかわらず新しいOSSの開発者が自分の判断でソースコードを非公開にすることができる。


答え ウ


解説

 ア  OSSを利用する場合、品質の保証は利用者側で行う必要があり、障害が発生した場合にOSS開発者に対し損害賠償を行うことはできません。
 イ  OSSの要件に「適用領域に基づいた差別をしないこと」があり、利用分野(領域)を限定してソースコードを非公開にすることはできません。
 ウ  OSSの要件に「ソースコードを入手できること」とあるので、商用ソフトウェアであってもライセンスによってはソースコードの公開が求められます。
 エ  OSSの要件に「ソースコードを入手できること」とあるので、ソースコードを非公開にすることはできません。


キーワード
・OSS

キーワードの解説
  • OSS(Open Source Software、オープンソースソフトウェア)
    ソフトウェアの著作者を守りながらソースコードを公開することを可能にするライセンスのことです。
    OSSには以下の要件があります。
    1. 自由な再頒布ができること
    2. ソースコードを入手できること
    3. 派生物が存在でき、派生物に同じライセンスを適用できること
    4. 差分情報の配布を認める場合には、同一性の保持を要求してもかまわない
    5. 個人やグループを差別しないこと
    6. 適用領域に基づいた差別をしないこと
    7. 再配布において追加ライセンスを必要としないこと
    8. 特定製品に依存しないこと
    9. 同じ媒体で配布される他のソフトウェアを制限しないこと
    10. 技術的な中立を保っていること

もっと、「OSS」について調べてみよう。

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