平成20年 春期 ソフトウェア開発技術者 午前 問57

IEEE 802.3は、CSMA/CD方式によるLANのアクセス方式の標準である。
OSI基本参照モデルの層のうち、IEEE 802.3で規定されている最上位層はどれか。

 ア  セション層  イ  データリンク層
 ウ  トランスポート層  エ  ネットワーク層


答え イ


解説

 ア  LAN(インターネット)でセション層(セッション層)に相当するものはありません。
FTPやHTTP、TELNETなどでもセション層に相当する機能を持っていますが、プレゼンテーション層、アプリケーション層との明確な区分はありません。
 イ  IEEE 802.3ではデータリンク層相当について規定しています。
IEEE 802.3以外でデータリンク層に相当するのは、PPPやトークンリングなどです。
 ウ  LAN(インターネット)でトランスポート層に相当するのは、TCPやUDPなどです。
 エ  LAN(インターネット)でネットワーク層に相当するのは、IPです。


キーワード
・IEEE 802.3
・CSMA/CD

キーワードの解説
  • IEEE 802.3
    1980年2月に行われたIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.、米国電気電子学会)の802委員会で定められた、ネットワークの規格でイーサネット(Ethernet)のことです。
    IEEE 802.3ではOSI基本参照モデルの物理層とデータリンク層について規定しています。
  • CSMA/CD
    (Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection、キャリア検知 多重アクセス/衝突検出)
    イーサネットの通信経路上での信号の発送手段を規定で、イーサネットの最も特徴的な部分です。
    CSMA/CDでは以下のようなアクセスを行います。
    1. CS(Carrier Sense、キャリア検知)
      データを送信しようとするマシンはネットワーク上の他のマシンがデータ送信を行っていないことを確認します。
    2. MA(Multiple Access、多重アクセス)
      ネットワーク上で一定時間、データ送信中のマシンがいないことを確認したら、データ送信が可能になります。
      このとき、ネットワーク上のすべてのマシンは平等にデータ送信を行うことが可能です。
    3. CD(Collision Detection、衝突検出)
      データの送信を開始したら、他のマシンのデータ送信と衝突しないことを確認します。
      衝突を検出したら、ジャム信号という特殊な信号を送信し、規定時間待ってからキャリア検知からやり直します。

もっと、「Ethernet」について調べてみよう。

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