平成20年 春期 ソフトウェア開発技術者 午前 問60

図に示すIPネットワークにおいて、端末aから端末bへの送信パケットをも似たツールで採取した。
パケットのヘッダー情報に含まれるアドレスの組合せとして、適切なものはどれか。

あて先MACアドレス 送信元MACアドレス あて先IPアドレス 送信元IPアドレス
端末b 端末a 端末b 端末a
端末b 端末a ルータ2 ルータ1
ルータ2 ルータ1 端末b 端末a
ルータ2 ルータ1 ルータ2 ルータ1


答え ウ


解説
端末aから端末bにデータを送信するときで考えます。
端末aと端末bは同じサブネットに接続されていないので、ルータ1を通過するようなアドレスを設定します。
IP層ではサブネットが異なっても指定するアドレスは変わりませんが、MAC層では同じサブネット内のあて先を指定するので、端末aが端末bにデータを送信するときのアドレスは

あて先MACアドレス 送信元MACアドレス あて先IPアドレス 送信元IPアドレス
ルータ1 端末a 端末b 端末a
になります。

次にルータ1がデータを中継して、あて先IPアドレスを見てルータ2に転送します。このとき、データのIPアドレスの値は変わりませんが、MACアドレスは実際に送信するルータ1とあて先のルータ2を指定するので
あて先MACアドレス 送信元MACアドレス あて先IPアドレス 送信元IPアドレス
ルータ2 ルータ1 端末b 端末a
になります。

次にルータ2がデータを中継して、あて先IPアドレスを見て端末bに転送します。このとき、データのIPアドレスの値は変わりませんが、MACアドレスは実際に送信するルータ2とあて先の端末bを指定するので
あて先MACアドレス 送信元MACアドレス あて先IPアドレス 送信元IPアドレス
端末b ルータ2 端末b 端末a
になります。

このとき、モニタツールで採取するデータは、ルータ1からルータ2に転送しているデータなので
あて先MACアドレス 送信元MACアドレス あて先IPアドレス 送信元IPアドレス
ルータ2 ルータ1 端末b 端末a
(ウ)になります。


キーワード
・ルータ越え

キーワードの解説
  • ルータ越え
    異なるサブネット間との通信を行うときには、サブネットをつなぐ中継装置のルータを通過することから、「ルータ越え」といいます。
    図のネットワーク環境では端末aから端末bにデータを送信するときにはルータ1を通過するようにデータを送ります。(端末aからルータ2の存在はわからない。)
    逆に、端末bから端末aにデータを送信するときは、ルータ2を通過するようにデータを送ります。
    ルータ越えのデータを送信する場合、IPアドレスは最終的な送信先を指定しますが、MACアドレスは中継装置を指定します。

もっと、「ルータ越え」について調べてみよう。

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