H27 技術士(情報工学)情報ネットワーク II-1-2:IPv6ヘッダーとIPv4ヘッダーの違い


(1)ヘッダー長
IPv6のヘッダーとIPv4のヘッダーでもっとも大きく異なるのは、送信元・送信先のIPアドレスのサイズであり、IPv4では32ビットだったものがIPv6では128ビットになっている。IPv4の32ビットではIPアドレスを割り振ることのできるノード数が約43億台であり、世界的規模で見ると1人に1つのIPアドレスを割当てることも難しくIPアドレスが不足しているが、IPv6では128ビットとIPv4の43億個の4乗になるので、現実的にIPアドレスが不足することがなくなった。
(2)アドレス長
次に異なるのはIPv6のヘッダー長は固定で、IPv4のような拡張機能がないことである。ヘッダーが固定長なのでIPヘッダーを見て動作するルータなど中継装置の負荷の軽減が期待できる。
(3)チェックサム
IPv6ヘッダーではIPv4ヘッダーにあったヘッダーのチェックサムがなくなっている。IPヘッダーにはIPv4のTTL、IPv6のHop Limitと生存時間情報があり、データを中継するルータが中継時にこの値を1減算する処理を行っている。この生存時間の減算処理を行うとヘッダーのチェックサム値の再計算が必要であり、ルータでは中継するデータの全てについてチェックサムの再計算を行っているため、ルータの処理能力の足かせになっていたがIPv6ではチェックサムがないためルータのスループットの向上が期待できる。


[Intermission]
IPv6での最も大きな違いはIPアドレスのサイズですが、それ以外にも幾つか違いがあり、その中でもヘッダーチェックサムの削除はルータのスループット向上への影響が大きいので記述したほうがいいと思います。



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