H27 技術士(情報工学)ソフトウェア工学 II-2-1:CMMに倣った人材育成


(1)各プロセスエリアについて説明する。
1)個人の能力開発は、業務を行ううえで必要とされる、個人能力を身につけさせることと、保有する技術力を磨いて作業の質を高めることで、システム開発では通常、作業者は経験と共に上流工程の作業を担当することにより担当する作業に見合った能力を常に学んでいく必要がある。
2)ワークグループと文化の形成は、システム開発は個人ではなくグループで取り組むため、グループ内での意思疎通や問題点の共有などスムーズに行うための文化が必要になる。特に個々の作業者が持っている問題点の共有できる雰囲気を作ることは重要である。
3)動機付けと業績管理は、人は目的意識をしっかり持たないとパフォーマンスのよい活動ができないので、作業の動機付けを行うことは需要である。また、作業の進捗についてもマネージャはしっかり把握し、問題の発生している箇所にはきめ細かい対策が必要である。
4)人的組織力の形成は、組織として業務を行ううえでの組織力を高めることで、情報共有と指揮命令系統の明確化が求められる、特に情報共有では問題の報告手段とルートをはっきりさせないと、問題情報が共有できず解決まで時間がかかることがある。

(2)個人能力の開発について記述する。
個人能力の開発には業務を通して能力向上を行うOJTと、集合研修のようなOff-JTがある。OJTでは職場のベテラン技術者が指導者になり、業務を通して進め方や報告の仕方、注意すべき箇所などを教えていく。OJTでは指導者だけでなく疑問点を他のメンバに聞くことでコミュニケーションが活発になったり、ベテラン技術者が勘違いなどに気づくなどの効果もある。
Off-JTは、社内や社外で行われる技術研修に参加し、そこで講師や他の参加者とのディスカッションを通して能力開発を行うことで、レベルにあった研修に参加すると高い効果が期待できる。

(3)課題と解決
OJTの問題は教育の内容が指導役の技術者の力量に左右されることが問題である。技術者の多くは指導者になるための学習を行っていないため、指導者によって指導内容に差が出てしまう。また、指導者も技術者としての業務が割当てられているため、業務内容によっては指導に十分な時間を取れないことがある。これについての対策はグループとして指導者にふさわしい教育を行い、指導力を強化することと、指導者の作業内容をグループで確認し、他のメンバが指導者の業務のフォローをするなどが必要である
Off-JTの問題は適切な研修が適当な時期に行われることが少ないことである。プログラミングやデバッグ、テスト技法などの作業であれば研修も多く行われているが、設計作業になると、企業ごとに作成するドキュメントの形式に差があったりするため、外部の研修に頼ることは難しい。そのため、この問題についてはOff-JTではなく、OJTを活用すべきであり、設計作業などメンバが必ず学ばなくてはならない項目については資料を作成し、ナレッジマネジメントのSECIモデルなどを活用して資料を更新して質の高い指導ができるようにする必要がある。


[Intermission]
CMM(CMMI)の考え方は組織力強化のいろいろな場面で使われていて、こういった記述問題や情報処理技術者試験の論述試験で使えます。
あと、継続的な改善の“PDCAサイクル”と、ナレッジマネジメントの“SECIモデル”も考え方の相性がいいのでこういった試験では使えます。



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