稼働率


稼働率とは、その瞬間に正常な状態で動作している確率のことです。(瞬間稼働率)
または、規定された時間、正常な状態で動作している確率のことです。(平均稼働率)
値としてはどちらも同じで、略号としてはAvailabilityのA(a)が使われることが多いです。

計算式としては、平均故障間隔のMTBF(Mean Time Between Failures)と平均修復時間のMTTR(Mean Time To Repair/Recovery)を使用して
 A=MTBF÷(MTBF+MTTR)
になります。(値としては0〜1。)


平均故障間隔(MTBF)

平均故障間隔のMTBF(Mean Time Between Failures)は、連続して正常に動作している平均時間です。
MTTRが同じなら、MTBFが長いほうが稼働率は高くなります。
MTBFを長くするには、
  • 予防保守(定期点検)をする。
  • システムの冗長にする。
  • 装置の一部が故障しても影響のない機能で運転を続ける。(縮退運転)
などがあります。

なお、ユーザーとしては、MTBFが長すぎて困ることはありませんが、メーカーにとって長すぎるMTBFは買換え需要がなくなってしまうので、致命傷になりかねません。(過剰品質、over quality)

平均修復時間(MTTR)

平均修復時間のMTTR(Mean Time To Repair/Recovery)は、故障(障害)で動作が停止した装置が、復旧して動作するまでの平均時間です。
MTBFが同じなら、MTTRが短いほうが稼働率は高くなります。
MTTRを短くするには、
  • 修理しやすい構造にする。
  • 遠隔保守を行う。
  • マニュアルを整備して極力ユーザーで対応可能にする。
などがあります。

システムの稼働率の求め方

複数の装置で構成されるシステムの稼働率は、各装置が直列接続か並列接続かで計算方法が異なります。
接続方法 内容
直列接続 システムを構成する各装置が全て動作することで、システムが正常動作する構成。
システムとして装置XとYがあり、それぞれの稼働率がXaとYaのとき、システムの稼働率Aは
 A=Xa×Ya
になる。
並列接続 システムを構成する各装置のいずれかが動作していれば、システムが正常動作する構成。
システムとして装置XとYがあり、それぞれの稼働率がXaとYaのとき、システムの稼働率Aは
 A=1-(1-Xa)×(1-Ya)
になる。
  • (1-Xa)は、装置Xが故障している確率
  • (1-Ya)は、装置Yが故障している確率
  • (1-Xa)×(1-Ya)は、装置XとYの両方が故障している確率

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