信頼性


信頼性とは、システムや、システムを構成する装置、装置を構成する部品が、あらかじめ期待したとおりの性能・機能を発揮できるようにすることです。
昨今の情報システムは停止してしまうと影響が大きいため、故障による停止を避けたり、故障が発生してもその影響を最小限にするための技術が色々と採用されています。


フェールセーフ(fail safe)

フェールセーフとは、故障が発生した場合、システムとして安全な方向(側)になってしまうことです。
これは、故障発生時の状態によっては、人命などに危険がおよぶ場合に採用されます。
例えば、交差点の信号は故障すると。赤の点灯、または、赤の点滅状態になります。

フェールソフト(fail soft)

フェールソフトとは、故障が発生した場合、故障していない部分でシステムを動作させることです。(性能や機能は限定的なものになります。)
これは、複数の機能を持ったシステムで互いに独立して動作している場合に採用されることが多いです。
例えば、ジェット機は複数のエンジンを搭載し、1つのエンジンでも飛行可能な設計にしています。

フォールトトレラント(fault tolerant)

フォールトトレラントとは、故障が発生した場合でも、正常時と同じ性能・機能で動作させることです。
また、故障の内容によって性能・機能を維持できない場合には、フェールソフトまたは、フェールセーフの動作を行います。
実際に、システムの一部が故障して、正常時と同じ性能・機能を実現するためには、システムを二重化するなどの手法を用います。
例えば、生命維持装置は故障で性能・機能を維持できないと人命にかかわるので、フォールトトレラントの考えを採用しています。

デュアルシステム(dual system)

デュアルシステムとは、システムを二重化して、二系列のシステムでまったく同じ処理を行い、結果を比較し、結果が同じになったときにシステムが正常に動作していると判断する手法です。

デュプレックスシステム(duplex system)

デュプレックスシステムとは、システムを二重化して、片方を運用系、片方を待機系として、待機系は運用系の動作を監視し、運用系に障害(故障)が発生したときに、運用系を停め待機系に切り替える手法です。
待機系の状態により、
  • 瞬時に切り替えられる、ホットスタンバイ方式(hot standby)
  • ソフトの設定変更程度で切替が行える、ウォームスタンバイ方式(warm standby)
  • ソフトのインストール、データの移行などが必要な、コールドスタンバイ方式(cold standby)
がある。

RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)

RAIDとは、磁気ディスク(ハードディスク)の性能や信頼性を高めるための手法で、複数の磁気ディスクを使用し実現し、その内容によりいくつかの方式があります。
種類 内容
RAID 0 複数のディスクにデータを分散させて格納して高速化を実現(ストライピング)
RAID 1 複数のディスクに同じデータを格納して高信頼性を実現(ミラーリング)
RAID 2 ビット単位での誤り訂正専用のディスクを用意して高信頼性を実現
RAID 3 ビット単位でのパリティ専用のディスクを用意して高信頼性を実現
RAID 4 ブロック単位でのパリティ専用のディスクを用意して高信頼性を実現
RAID 5 ブロック単位でのパリティを分散して記録して高信頼性を実現
RAID 6 ブロック単位でのパリティを分散して複数箇所に記録して高信頼性を実現
実際に利用されているのはRAID 0、RAID 1、RAID 5、RAID 6である。
また、RAID 0は性能向上のための方式で、信頼性は向上しません。
RAID 1〜6で最も信頼性の高い方式はパリティ情報を複数箇所に記録するRAID 6です。

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