平成21年 秋期 ITパスポート 中問C

PC関連機器の販売管理業務に関する次の記述を読んで、問97〜問100に答えよ。

I社は、企業に対してPC関連機器の販売を行っており、販売管理業務の情報をデータベースによって管理している。
図1に示すデータとデータベース管理システムの印刷機能を使って、販売時に図2の請求書を発行する。
各商品の販売単価は適宜変更され、新たな販売単価とその更新日時が販売単価表の該当レコードに上書きされる。
また、取引を行う企業(以下、取引先という)の担当者は原則1人であるが、取引先によっては部署ごとに1人存在することがある。
取引先コードは、取引先ごとに採番する。

商品表
商品コード 商品名 分類コード メーカーコード 仕入先コード
販売単価表
商品コード 販売単価 更新日時
取引先表
取引先コード 取引先名
取引先担当者表
取引先コード 部署名 所在地 名前 役職 電話番号
図1 販売管理業務に関するデータベースの構造


図2 請求書の様式

[テクノロジ]
 問97  I社は、月末に図1の各表のデータをバックアップしている。
取引先担当者表が次のような構成となっているとき、取引先担当者表を記録するには、少なくとも何kバイトの領域を確保する必要があるか。
ここで、バックアップでは、データの圧縮は行わないものとする。

[取引先担当者表の構成]
  • 件数:10,000件
  • 取引コード、電話番号:それぞれJISの1バイトコード10文字
  • 部署名:JISの2バイトコードで20文字
  • 所在地:JISの2バイトコードで40文字
  • 名前、役職:それぞれJISの2バイトコードで10文字
 ア  1,000
 イ  1,500
 ウ  1,800
 エ  2,000

[テクノロジ]
 問98  図1の取引先担当者表のレコードを一意に特定するための主キーとして、適切なものはどれか。
 ア  取引先コード
 イ  取引先コード、名前
 ウ  取引先コード、部署名
 エ  名前、役職

[テクノロジ]
 問99  図2の請求書を発行するときに図1の4個の表を参照する必要がある。
1枚の請求書を発行するとき、4種類のレコードのそれぞれ参照する回数の大小関係を示したものはどれか。
なお、請求書の発行作業の時点で、取引先コード、名前、部署名、購入した商品ごとの商品コードと数量が分かっており、これらの値を使って各表を参照する。
参照では、主キーによって一つのレコードを取り出す操作を1回と数える。
また、“商品表 > 販売単価表”という記述は、商品表のほうが販売単価表より表の参照回数が多いことを示している。
 ア  販売単価表=商品表 = 取引先担当者表 = 取引先表
 イ  販売単価表=商品表 ≥ 取引先担当者表 = 取引先表
 ウ  販売単価表 ≥ 商品表 ≥ 取引先担当者表 = 取引先表
 エ  販売単価表 ≥ 商品表 ≥ 取引先担当者表 ≥ 取引先表

[テクノロジ]
 問100  図2の請求書を表として記録することになった。
請求書の表を作成するに当たり、伝票番号、日付、取引先コード、部署名、商品コード、数量、単価の七つの項目を記録することにした。
これらの項目を正規化して記録するとき、表の構成として適切なものはどれか。
 ア
伝票番号 日付 取引先コード 部署名 商品コード 数量 単価
 イ
伝票番号 日付 取引先コード 部署名
商品コード 数量 単価
 ウ
伝票番号 日付 取引先コード 部署名
伝票番号 商品コード 数量 単価
 エ
伝票番号 日付
取引先コード 部署名
商品コード 数量 単価


答え
 問97 ウ  問98 ウ
 問99 イ  問100 ウ


解説

 問97  取引先担当者表の構成から、1件当たりのデータ量は
 取引先コード:10バイト
 電話番号:10バイト
 部署名:20×2バイト
 所在地:40×2バイト
 名前:10×2バイト
 役職:10×2バイト
なので、180バイトになる。
これが、1,000件あるので、バックアップに必要な領域は
 1,800バイト/件×1,000件 = 1,800kバイト
(ウ)になる。
 問98  問題文から、取引先担当者は『取引先によっては部署ごとに1人存在する』とあるので、取引先担当者を特定するのに必要な情報(主キー)は
 取引先コード、部署名
(ウ)になる。
 問99  請求書の発行作業の時点で分かっている情報は、取引先コード、名前、部署名、購入した商品ごとの商品コードと数量であるので、各表から参照する情報は、取引先関係の情報として取引先名、役職、所在地、電話番号があり、商品関係のデータとして商品名、単価である。
取引先名は取引先表から、役職、所在地、電話番号は取引先担当者表から、商品名は商品表から、単価は販売単価表を参照する必要がある。
取引先表と取引先担当者表は請求書内に1件しか情報がないので1回の参照になり、商品表と販売単価表は請求書内に複数個の情報があるので1回以上の参照になるので、参照回数の関係は
 販売単価表=商品表 ≥ 取引先担当者表=取引先表
(イ)になる。
 問100  請求書表の各データ項目のうち、伝票番号、日付、取引先コード、部署名はそれぞれ一つの情報であるが、商品コード、数量、単価はまとめて請求する商品の数だけ繰り返し情報があるので、正規化すると繰り返し情報を別表にし、主キーとして伝票番号を使って
伝票番号 日付 取引先コード 部署名
伝票番号 商品コード 数量 単価
(ウ)になる。


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