平成24年 春期 ITパスポート 中問D

チェック数字に関する次の記述を読んで、四つの問いに答えよ。

多くの市販の書籍には、書籍を識別するためのISBN(International StandardBook Number)コードが付けられている。
ISBNコードは、0〜9の数字を使った13桁の記号で構成され、左側から桁を数える。
最も左側の桁を1桁目とする。
1桁目から12桁目までは、国記号、出版者記号及び書籍固有の記号などが含まれる。
ISBNコードの13桁目(最も右側の桁)はチェック数字と呼ばれる桁である。
ISBNコードのチェック数字は、1桁目から12桁自の数字を使って、次の計算方法によって求める。
ここで、図1のように1桁目から12桁目の数字をa1〜a12、チェック数字をXとする。

[チェック数字の計算方法]
 (1)  a1〜a12について、奇数桁には1、偶数桁には3の重みを付ける。
 (2)  a1〜a12の各桁に、それぞれの桁に対応した重みを掛けたものの和Sを求める。
  S = a1×1 + a2×3 + a3×1 + … + a12×3
 (3)  Sを10で割った余りRを求める。
 (4)  10からRを引いた値をチェック数字Xとする。
なお、この値が10になった場合は、チェック数字は0とする。


図1 ISBNコードの構成

[ストラテジ]
 問97  ISBNコードの1桁目から12桁目が次の数字の場合、13桁目に付加されるチェック数字Xはどれか。
 ア  1
 イ  3
 ウ  7
 エ  9

[ストラテジ]
 問98  ISBNコードにチェック数字が含まれていることによって得られる効果はどれか。
 ア  検査機能が付加されるので、ISBNコードを人が入力する際に、入力ミスが検出しやすくなる。
 イ  識別機能が付加されるので、在庫管理システムや書籍検索システムなどにおけるコンピュータ処理の効率が向上する。
 ウ  整列機能が付加されるので、客が書店で書籍を探す際に、その書籍を展示してある棚が分かりやすくなる。
 エ  分類機能が付加されるので、図書館や学校などが行う書籍管理のための図書分類が明確になる。

[テクノロジ]
 問99  表計算ソフトを使ってチェック数字を求めることにした。
チェック数字を求めるワークシートを、次の手順で作成するとき、aに入れる適切な式はどれか。
 (1)  セルB1〜N1に、ISBNコードの桁数を表す数値を入力する。
 (2)  セルB2〜M2に、ISBNコードの1〜12桁を、各セルに1桁ずつ入力する。
 (3)  セルB3〜M3に、ISBNコードの各桁に対応した重みを入力する。
 (4)  セルB4に、式  a  を入力し、セルC4〜M4に複写する。
 (5)  セルB5に、セルB4〜M4の合計を求める式を入力する。
 (6)  セルB6に、セルB5の値を10で割った余りを求める式を入力する。
 (7)  セルN2に、チェック数字を求める式を入力する。


A B C D E F G H I J K L M N
1 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
2 ISBNコード 9 8 7 4 0 0 0 0 1 2 3 4
3 重み 1 3 1 3 1 3 1 3 1 3 1 3
4













5 和(S) 72











6 剰余(R)












注記 網掛けの部分は、表示していない。
図2 チェック数字を求めるワークシート

 ア  B1*B2
 イ  $B1*B$3
 ウ  B2*B3
 エ  $B2*B$3

[テクノロジ]
 問100  表計算ソフトを使ってチェック数字を求めることにした。
チェック数字を求める次のワークシート中のセルN2に入れる適切な式はどれか。
このワークシートは、セルB2〜M2に数字を入力することで、繰り返し使うものとする。
 (1)  セルB1〜N1に、ISBNコードの桁数を表す数値を入力する。
 (2)  セルB2〜M2に、ISBNコードの1〜12桁を、各セルに1桁ずつ入力する。
 (3)  セルB3〜M3に、ISBNコードの各桁に対応した重みを入力する。
 (4)  セルB5に、ISBNコードに各桁の重みを掛けたものの合計を求める。
 (5)  セルB6に、剰余関数を使った次の式を入力する。
  剰余(B5, 10)
 (6)  セルN2に、チェック数字を求める式を入力する。


A B C D E F G H I J K L M N
1 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
2 ISBNコード 9 8 7 4 0 0 0 0 4 3 2 1
3 重み 1 3 1 3 1 3 1 3 1 3 1 3
4













5 和(S) 68











6 剰余(R)












注記 網掛けの部分は、表示していない。
図3 チェック数字を求めるワークシート

 ア  10 - B6
 イ  B6 - 10
 ウ  10 - 剰余(B6, 10)
 エ  剰余(10 - B6, 10)


答え
 問97 ア 問98 ア
 問99 ウ 問100 エ


解説

 問97  ISBNコードの1桁目から12桁目が9, 7, 8, 4, 0, 0, 0, 0. 8, 6, 0, 1のときのチェック数字は問題文の計算方法で求めると、和Sは
 S = 9×1 + 7×3 + 8×1 + 4×3 + 0×1 + 0×3 + 0×1 + 0×3 + 8×1 + 6×3 + 0×1 + 1×3 = 79
になり、Sを10で割った余りRは
 R = 9
になる。これを10から引いた値がチェック数字Xなので
 X = 1
(ア)になる。
 問98  ISBNコードにチェック数字(チェックデジット)を付加するのは、検査機能が付加されるので、ISBNコードを人が入力する際に、入力ミスが検出しやすくなる(ア)からです。
チェック数字はISBNコードのほかに、バーコードや運転免許証の番号などでも使われています。
 問99  セルB4にはセルB2とセルB3の積で、それをセルC4にコピーしたときは計算式はセルC2とセルC3の積になる必要があるので、セルB4の計算式は“B2*B3”(ウ)になる。
 問100  セルN4には10からセルB6の剰余を引いた値が入るが、セルB6の剰余の値が0のときには0が入るので、単純な“10 - B6”ではだめで、セルB6が0のときに0になるように“剰余(10 -B6, 10)”(エ)になる。


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