平成26年 春期 ITパスポート 中問C

稟議(りんぎ)システムに関する次の記述を読んで、四つの問いに答えよ。

F社の総務部では、社員(役員を含む)による購買や契約などの申請と承認を行うシステム(以下、稟議システムという)を構築することにした。
総務部のGさんは、稟議システムの申請画面と申請の流れについて検討を行っている。
申請画面の入力項目は、表1のとおりである。

表1 申請画面と入力項目
入力項目 内容
件名 稟議の名称
種別 計画、購買、契約、その他(四つの稟議種別から一つ選択)
申請年月日 申請する年月日
稟議内容 内容の詳細
決済金額 種別が購買又は契約の場合、決済を求める金額
同意者 承認を取得する前に、同意を取る必要がある社員名
(1名以上の同意者が存在する)
承認者 最終的に承認する社員名
回覧者 承認された後に、回覧を行う社員名
添付資料 承認者が必要と判断した添付資料

稟議システムを用いた申請の流れは、次のとおりである。

(1)  申請者が申請画面に必要事項の入力を行う、申請前に稟議を一時保存できる。
(2)  必要事項の入力が完了した後に、稟議の申請を行う。
(3)  申請された稟議は、同意者の参照が可能となる。
(4)  同意者は、稟議に問題がなければ同意し、問題があれば差戻しを行う。
(5)  同意者が全て同意した後に、承認者は申請された稟議について、承認処理が可能となる。
(6)  承認者は、稟議に問題がなければ承認し、問題があれば差戻しを行う。

稟議システムは、申請、同意、差戻し、承認の各画面に表示した実行ボタンが押されることによって処理を実行し、入力項目と日時を履歴として保存する。
申請前の入力情報は、履歴としては保存しない。
差戻しされた稟議は、申請者が編集可能で再申請できる状態となる。

[テクノロジ]
 問93  入力項目“種別”の入力に使用するGUI(Graphical User Interface)部品として、適切なものはどれか。
 ア  スクロールバー
 イ  チェックボックス
 ウ  テキストボックス
 エ  ラジオボタン

[テクノロジ]
 問94  申請画面での入力間違いを防ぐために、複数の入力項目間でシステムが行うことのできるエラーチェックはどれか。
 ア  決裁金額の入力が必要な種別の場合、決裁金額の入力がされているかどうか。
 イ  件名に対して、決裁金額が妥当かどうか。
 ウ  稟議内容が、件名に対して適切な記述になっているかどうか。
 エ  稟議内容に対して、必要な添付資料があるかどうか。

[ストラテジ]
 問95  稟議システムを用いた申請の流れは、通常(1)〜(6)の順番で行われるが、分岐して流れが変わる場合がある。次のうち、流れが変わる処理はどれか。
 ア  申請者が申請前に稟議を一時保存する処理
 イ  申請者が申請を行った後、同意者が稟議を参照可能とする処理
 ウ  全ての同意者が同意後に、承認者が稟議を承認可能とする処理
 エ  問題があれば差戻しを行う際の処理

[マネジメント]
 問96  稟議システムによって履歴として保存された内容から、確認できないものはどれか。
 ア  申請、同意、差戻し、承認が実施された日時
 イ  申請から承認までに掛かった時間
 ウ  申請前の修正回数
 エ  差戻しが行われた回数


答え
 問93 エ 問94 ア
 問95 エ 問96 ウ


解説

 問93  種別は“計画”、“購買”、“契約”、“その他”の中から一つを選択するので、使用するGUIとしては、一つだけ選択することが可能なラジオボックス(エ)を使用します。
 問94  決済金額は種別が“購買”又は“契約”の場合に入力する必要があるので、決裁金額の入力が必要な種別の場合、決裁金額の入力がされているかどうか(ア)をチェックします。
これ以外の選択肢をチェックすることは非常に困難です。
 問95  稟議の処理の流れが分岐するのは、処理が戻ったりする箇所のことなので、問題があれば差戻しを行う際の処理(エ)になります。
それ以外の選択肢は処理をスキップする処理だったり、処理を行うための条件なので分岐ではありません。
 問96  問題のようなワークフローシステムでは、申請を開始するとそれ以降の処理の履歴を残すことが可能ですが、申請前の修正回数(ウ)を履歴に残すことはできません。


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