平成27年 春期 ITパスポート 中問C

売上高の損益分析に関する次の記述を読んで、四つの問いに答えよ。

部品メーカーに勤めるAさんは、材料費などの変動費と人件費などの固定費を把握し、表計算ソフトを活用して、売上高と利益を検討することにした。
1か月の売上高、変動費に固定費を加えた総費用を基に、図1に示すような売上高の損益分析を行うためのワークシートを作成した。
変動費は売上高に連動して増減する費用であり、変動費率は変動費の売上高に占める割合である。
固定費とは、売上高にかかわらず発生する一定額の費用である。
損益分岐点は売上高と総費用がちょうど等しくなる売上高であり、売上高が損益分岐点以下であれば赤字になり、それ以上になれば利益が出る。
変動費率と固定費は、それぞれセルB1、B2に入力してある。

A B C
1 変動比率 0.65
2 固定費 1,850
3 単位 千円
4 売上高 総費用 利益
5 0 1,850 -1,850
6 1,000 2,500 -1,500
7 2,000 3,150 -1,150
8 3,000 3,800 -800
9 4,000 4,450 -450
10 5,000 5,100 -100
11 6,000 5,750 250
12 7,000 6,400 600
13 8,000 7,050 950
14 9,000 7,700 1,300
15 10,000 8,350 1,650
16
17 損益分岐点 5,286
図1 売上高の損益分析を行うためのワークシート

[テクノロジ]
 問93  売上高に応じた総費用を求めるために、図1のセルB5に計算式を入力して、セルB6〜B15に複写する。
セルB5に入力する計算式として、適切なものはどれか。
 ア  A5*B1+B2
 イ  A5*B1
 ウ  A5*B$1+B$2
 エ  A5*B$1

[ストラテジ]
 問94  図1のセルB17に損益分岐点を求める計算式を入力する。
セルB17に入力する計算式として、適切なものはどれか。
 ア  B2*B1
 イ  B2*(1 - B1)
 ウ  B2/B1
 エ  B2/(1 - B1)

[ストラテジ]
 問95  売上高が3,000千円以上で赤字にならないようにしたい。
変動費率を0.60と仮定した場合、固定費の上限は何千円か。
 ア  1,500
 イ  1,300
 ウ  1,200
 エ  1,000

[ストラテジ]
 問96  先月の売上高は10,000千円あり、1,650千円の利益があった。
利益を向上させるために、今月から原材料を変更し、変動費率を0.5下げる予定である。
しかし人件費が150千円増えて、固定費が増加した。
今月の売上高が先月と同じ10,000千円のとき、利益は先月に比べて幾ら増減するか。
 ア  200千円減少する。
 イ  変わらない。
 ウ  200千円増加する。
 エ  350千円増加する。


答え
 問93 ウ 問94 エ
 問95 ウ 問96 エ


解説

 問93  総費用を求める計算式は
売上高×変動比率 + 固定費
なので、セルB5に入れる計算式は
A5*B1+B2
になるが、これをセルB6〜B15に複写(コピー)することを考えた場合、セルB1とセルB2は複写後も参照位置が同じでないといけないので、B1はB$1、B2はB$2にする必要があり、セルB5に入れる計算式は
A5*B$1+B$2
(ウ)になります。
 問94  損益分岐点を変動比率と固定費から求めるためには、変動費以外の費用の割合が固定費と同じになればいいので
固定値÷(1 - 変動比率)
になり、これをセル17に入れる形にすると
 B2/(1 - B1)
(エ)になります。
 問95  売上高が3,000千円で変動比率が0.60なので、変動費は
3,000千円×0.60 = 1,800
になるので、損益分岐点にするためには、固定費を売上高から変動費を引いた金額にする必要があるので、固定費は
3,000千円 - 1,800千円 = 1,200千円
(ウ)になります。
 問96  変動費が0.05下がって、0.60になり、固定費は150千円増えて2,000千円になったので、売上高が10,000千円のときの利益は
売上高 - (売上高×変動比率 + 固定費)
= 10,000千円 - (10,000千円×0.60 + 2,000) = 2,000千円
であり、これは先月の利益1,650千円より350千円増加(エ)になります。


戻る 一覧へ 次へ