図に示すテスト工程品質管理図の解釈と今後の対応のうち、適切なものはどれか。
ア | 作りこみ品質が悪いと判断できるので、誤りの多発箇所の重点対策が必要である。 前工程の品質状況を見直し、必要であれば前工程をやり直す。 |
イ | テスト項目の消化が遅く、今のうちにテスト環境の不備や開発要員の不足について、対策を検討しておくべきである。 品質については、予測した以上に誤りを検出しており、問題はない。 |
ウ | テスト項目の消化が遅く、予想した以上に誤りの検出が進んでいる。 テストの前半でもあるので、このままテストを継続して様子を見るのが良い。 |
エ | テスト項目の消化度合いに比べて誤りの検出が進んでおり、テストが効率的に進行中である。 現時点で注意することはないが、未解決な誤りを長時間抱え込まないように、誤りへの対処の進捗管理が必要である。 |
答え ア
【解説】
問題の図の現時点を見ると、
(1)未消化テスト項目数が予定より多いことがわかります。これはテスト工程が遅れていることを表しています。
(2)誤り検出数も予定より多いことがわかります。これから品質に問題があることがわかります。
(1)と(2)から、品質に問題があるので、誤りの多い箇所について対策を行う必要がある(ア)が答えです。
誤り検出件数が予定より少なければ、イの場合と考えられ、開発環境の使い勝手が悪く遅れているのか、計画に無理があって遅れているのかを判断する必要があります。
予定通り進んでいない場合は、試験では必ず対策を行う必要があるというのが前提にありますので、ウのような状況観察といった答えはありません。(現実には、多くの場合「もうちょっと、様子見」といって、泥沼にはまりますが…)
この図からエのような判断もできるように思えますが(現実にもこういった状況になることが多いのですが)、ここでテストケースが効率的という考え方は絶対にしてはいけません。テスト工程の前半で誤り検出数が予定より多いときは、品質に問題があるからと考えるようにしましょう。
ちなみに、こういった判断をするのはプロジェクトマネージャの仕事です。
また、テスト工程品質管理図で管理する場合、誤りの重要度を加味することも大切です。
誤りを分類せずに管理すると、メッセージの誤字などの軽度な誤りのために、誤り検出件数の曲線が収束せず、ソフトウェアの品質が悪いと判断されてしまうため、誤りに重み付けを行い重度誤り(人への危害、発煙・発火など装置故障、他システムに影響する誤り)の検出件数で品質を判断するようにしましょう。
【キーワード】
・テスト工程品質管理図