2021年 春期 応用情報技術者 午前 問54

PMBOKガイド第6版によれば、リスクにはプロジェクト目標にマイナスの影響を及ぼすリスク(脅威)と、プラスの影響を及ぼすリスク(好機)がある。 プラスの影響を及ぼすリスクに対する“強化”の戦略はどれか。

 ア  いかなる積極行動もとらないが、好機が実現したときにそのベネフィットを享受する。
 イ  好機が確実に起こり、発生確率が100%にまで高まると保証することによって、特別の好機に関連するベネフィットを捉えようとする。
 ウ  好機のオーナーシップを第三者に移転して、好機が発生した場合にそれがベネフィットの一部を共有できるようにする。
 エ  好機の発生確率や影響度、又はその両者を増大させる。


答え エ


解説

 ア  いかなる積極行動もとらないが、好機が実現したときにそのベネフィットを享受するのは、プラスの影響を及ぼすリスクに対する“保有”の戦略です。(×)
 イ  好機が確実に起こり、発生確率が100%にまで高まると保証することによって、特別の好機に関連するベネフィットを捉えようとするのは、プラスの影響を及ぼすリスクに対する“活用”の戦略です。(×)
 ウ  好機のオーナーシップを第三者に移転して、好機が発生した場合にそれがベネフィットの一部を共有できるようにするのは、プラスの影響を及ぼすリスクに対する“共有”の戦略です。(×)
 エ  好機の発生確率や影響度、又はその両者を増大させるのは、プラスの影響を及ぼすリスクに対する“強化”の戦略です。(〇)


キーワード
・リスクマネジメント

キーワードの解説
  • リスクマネジメント(risk management)
    発生(顕在化)する恐れのあるリスク(不確実性)を把握、特定し、そのリスクの発生頻度と影響度から評価を行い、対策を講じることです。
    リスクには良いほうに影響する場合のプラスのリスクと、悪いほうに影響するマイナスのリスクがあり、それぞれの対策には
    • プラスのリスク
      • 活用:リスクが顕在化しやすいようにします。
      • 共有:同じリスクを他の場合でも保有するようにします。
      • 強化:リスクが顕在化したときの影響が大きくなるようにします。
      • 保有(受容):何もせず、発生したリスクを受け入れる。
    • マイナスのリスク
      • 移転(転嫁):リスクが発生した場合の責任所在を他者に移す。
      • 回避:リスクのある事業から撤退する。
      • 低減:リスクが発生しても被害が少なくなるような対策を取る。
      • 保有(受容):何もせず、発生したリスクを受け入れる。
    があります。

もっと、「リスクマネジメント」について調べてみよう。

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