2023年 春期 情報処理安全確保支援士 午前 問7

ブロック暗号の暗号利用モードの一つであるCTR(Counter)モードに関する記述のうち、適切なものはどれか。

 ア  暗号化と復号の処理において、出力は、入力されたブロックと鍵ストリームとの排他的論理和である。
 イ  暗号化の処理において、平文のデータ長がブロック長の倍数でない時にパティングが必要である。
 ウ  ビット誤りがある暗号文を復号すると、ビット誤りあるブロック全体と次のブロックの対応するビットが平文ではビット誤りになる。
 エ  複数ブロックの暗号化の処理は並列に実行できないが、複数ブロック復号の処理は並列に実行できる。


答え ア


解説
ブロック暗号の暗号利用モードには代表的なものとして以下のようなものがある。

  • ECBモード(Electronic Codebook Mode)
    メッセージはブロックに分割され、それぞれのブロックは独立して暗号化する。
  • CBCモード(Cipher Block Chaining Mode)
    各ブロックは前のブロックの暗号文との排他的論理和(XOR)を取ってから暗号化する。
  • CFBモード(Cipher Feedback Mode)
    CBCモードと類似しており、ブロック暗号を自己同期型のストリーム暗号として扱う。
  • OFBモード(Output Feedback Mode)
    ブロック暗号を同期型のストリーム暗号として扱う。
  • CTRモード(Counter Mode)
    ブロック暗号を同期型のストリーム暗号として扱うもので、カウンター(Counter) と呼ばれる値を暗号化することで鍵ストリームブロックを生成する。
 ア  暗号化と復号の処理において、出力は、入力されたブロックと鍵ストリームとの排他的論理和であるのは、CTR7モードです。(〇)
 イ  暗号化の処理において、平文のデータ長がブロック長の倍数でない時にパティングが必要であるのは、ブロック化の説明です。(×)
 ウ  CBCモード以外では、ビット誤りがある暗号文を復号すると、ビット誤りあるブロック全体とそれ以降の次のブロックの対応するビットが平文ではビット誤りになる。(×)
 エ  CBCモード以外では、複数ブロックの暗号化の処理も復号の処理も並列に実行できない。(×)


キーワード
・ブロック暗号

キーワードの解説
  • ブロック暗号(block cipher)
    データを一定の長さのブロックごとに分割し、ブロック単位で暗号化を行う暗号方式のことです。
    これに対し、1ビット単位あるいは1バイト単位で逐次暗号化していく暗号方式はストリーム暗号と呼びます。

もっと、「ブロック暗号」について調べてみよう。

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