2024年 春期 応用情報技術者 午前 問14

1台のCPUの性能を1とするとき、そのCPUをn台用いたマルチプロセッサの性能pが、
 
で表されるとする。 ここで、aはオーバヘッドを表す定数である。 例えば、a = 0.1、n = 4とすると、p ≒ 3なので、4台のCPUからなるマルチプロセッサの性能は約3倍になる。 この式で表されるマルチプロセッサの性能には上限があり、nを幾ら大きくしてもある値以上には大きくならない。 a = 0.1の場合、Pの上限値は幾らか。

 ア  5  イ  10  ウ  15  エ  20


答え イ


解説
式の分母の
 1 + (n - 1)a
は、nが十分に大きいときには
 n - 1 ≒ n
になり、a = 0.1なので
 1 +(n - 1)a ≒ 1 + n - a = 1 + 0.1n
になる。また、nが十分に大きいので、
 1 + 0.1n ≒ 0.1n
になる。
すなわち、Pを求める式は
 P = n/(1 + (n - 1)a) ≒ n/0.1n =10
(イ)になる。


キーワード
・マルチプロセッサ

キーワードの解説
  • マルチプロセッサ(multi-processor)
    1台のコンピュータの中に複数のプロセッサ(CPU)を搭載することで、性能や信頼性の向上を実現します。
    コンピュータの内部構造により、メモリを共有する密結合と、それぞれのプロセッサが独自のメモリをもつ疎結合があります。
    マルチプロセッサでは、プロセッサ間で通信を行ったり、相手のプロセッサの処理を待ったりといったオーバヘッドが必要なため、n個のマルチプロセッサでも性能はn倍にはなりません。

もっと、「マルチプロセッサ」について調べてみよう。

戻る 一覧へ 次へ