平成22年 秋期 ITパスポート 問55

データ通信における暗号化技術に関する記述のうち、適切なものはどれか。

 ア  公開鍵暗号を使用してデータを暗号化する通信では、暗号化するための鍵を、どのように安全に配送するか工夫する必要がある。
 イ  データを暗号化して通信することによって、データの破壊や改ざんを防ぐことができる。
 ウ  電子商取引などで使用されるデジタル署名には、公開鍵暗号の技術が使われている。
 エ  不特定多数とのデータ通信においては、公開鍵暗号よりも共通鍵暗号が適している。


答え ウ


解説

 ア  公開鍵暗号では、配送する鍵は誰に知られても問題がないため、安全への配慮は不要です。
 イ  暗号化しても、データの破壊や改ざんを防ぐことはできません。
 ウ  デジタル署名では、公開鍵暗号が使用されています。
 エ  共通鍵暗号では通信相手ごとに暗号鍵を別に持つため不特定多数との通信には向いていません。


キーワード
・暗号化
・共通鍵暗号方式
・公開鍵暗号方式

キーワードの解説
  • 暗号化
    暗号化には暗号化・復号するアルゴリズムを秘密にする暗号方式と、アルゴリズムを公開して、暗号化するデータのほかに鍵と呼ばれるデータを使用し、この鍵を秘密にする方法がある。
    前者の暗号方式は一度アルゴリズムが知られてしまうと、使えないため、現在ではほとんど使われていない。
    後者の暗号方式は、鍵を変えることで何回でも繰り返し使用可能であり、試験に出るのはこちらである。
  • 共通鍵暗号方式
    暗号化時と復号時に同じ(共通の)鍵を使用する方法で、処理時間は一般的に高速である。
    通信で使用するときは、相手に秘密裏に鍵を配信する必要がある。
    共通鍵暗号方式には、DESやAES、FEAL、MISTYなどがある。
  • 公開鍵暗号方式
    暗号化と復号で異なる鍵を使用する方法で、暗号化鍵を知られてもその鍵では復号できないため、鍵を第3者経由で配布することが可能である。
    相手に渡す鍵を公開鍵、自分で持っている鍵を秘密鍵といい、公開鍵で暗号化したデータは秘密鍵でのみ復号でき、秘密鍵で暗号化したデータは公開鍵でのみ復号できる。
    公開鍵暗号方式には、RSAや楕円曲線暗号などがある。

もっと、「暗号化」について調べてみよう。

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