平成29年 秋期 ネットワークスペシャリスト 午前II 問8

IPv6のIPアドレスに関する記述のうち、適切なものはどれか。

 ア  IPv4に比べてアドレスフィールドが拡張されているので、ルータでの中継処理の遅延が増加する。
 イ  IPアドレスは10進数を用いる表記が推奨されている。
 ウ  上位96ビットを全て1としたアドレスはIPv4射影アドレスとして使用される。
 エ  ホストはルータからの情報によって自分のIPアドレスを自動設定できる。


答え エ


解説

 ア  IPv6にはIPv4ではあったIPヘッダー部のチャックサムがなくなったため、ルータでの中継処理の軽減が期待できます。
 イ  IPアドレスは16進数を用いる表記が推奨されています。
 ウ  IPv4射影アドレスは、80ビットの0、16ビットの1に続けてIPv4アドレスの形式になります。
 エ  IPv6ではホストはルータからの情報によって自分のIPアドレスを自動設定できます。


キーワード
・IP

キーワードの解説
  • IP(Internet Protocol)
    ISOが定めたネットワークの設計方針であるOSI基本参照モデルの第3層のネットワーク層に対応するプロトコル(通信規約)で、インターネットにおいて中心的な役割を持っている。
    現在、主に利用されているIPはIPv4であるが、IPv4の問題の解決のためIPv6が作られ、利用が始まっている。
    IPv4、IPv6のそれぞれのパケットのヘッダーは以下のようになっています。
    • IPv4(Internet Protocol version 4)
      0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
      バージョン ヘッダー長 サービス種別 全長
      識別子 フラグ 断片位置
      生存時間 プロトコル チェックサム
      送信元アドレス
      宛先アドレス
      拡張情報

      データ


    • IPv6(Internet Protocol version 6)
      0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
      バージョン 優先度 フローラベル
      ペイロード長 後継ヘッダーID ホップリミット
      送信元アドレス-1
      送信元アドレス-2
      送信元アドレス-3
      送信元アドレス-4
      宛先アドレス-1
      宛先アドレス-2
      宛先アドレス-3
      宛先アドレス-4
      拡張情報

      データ

      IPv4の最大の問題は、アドレス空間が32ビットなので、アドレスの不足が発生することです。

もっと、「IPv6」について調べてみよう。

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