平成20年 秋期 基本情報技術者 午前 問17

4ビットの入力データに対し、1の入力数が0個又は偶数個のとき出力が1に、奇数個のとき出力が0になる回路はどれか。
ここで、はAND素子、はOR素子、はXOR素子、はNOT素子を表す。

 ア    イ  
 ウ    エ  


答え エ


解説
AND、OR、XOR、NOTの論理を真理値表で表すと

AND 0 1
0 0 0
1 0 1
OR 0 1
0 0 1
1 1 1
XOR 0 1
0 0 1
1 1 0
NOT
0 1
1 0
になる。

問題は、4ビット入力で1の個数が偶数個なら1、奇数個なら0というのは4入力のXNOR(排他的否定和)になる。
2入力のXNOR回路はまたはであり、真理値表は
XNOR 0 1
0 1 0
1 0 1
である。
XNORの論理回路は、XOR回路の否定であり、4入力のXOR回路は

(ウ)なので、求める論理回路は

(エ)になる。


別解:
問題の『1の入力数が0個又は偶数個のとき出力が1に、奇数個のとき出力が0になる回路』からカルノー図を作成します。

00 01 11 10
00 1 0 1 0
01 0 1 0 1
11 1 0 1 0
10 0 1 0 1
この中ならいくつかの入力パターンで各選択肢の論理回路の出力を求めてみます。
このカルノー図は対称的な構造になっているので、下のカルノー図の色を変えた4つの入力パターンについて試します。
00 01 11 10
00 1 0 1 0
01 0 1 0 1
11 1 0 1 0
10 0 1 0 1
  • 入力が(0, 0, 0, 0)の時、カルノー図から出力は1で、選択肢の論理回路で出力が1になるのは、イ、エ
  • 入力が(0, 0, 0, 1)の時、カルノー図から出力は0で、選択肢の論理回路で出力が0になるのは、ア、イ、エ
  • 入力が(0, 1, 0, 0)の時、カルノー図から出力は0で、選択肢の論理回路で出力が0になるのは、ア、イ、エ
  • 入力が(0, 1, 0, 1)の時、カルノー図から出力は1で、選択肢の論理回路で出力が1になるのは、ア、エ
したがって、答えは試したすべての入力パターンで結果が正しいエの論理回路になります。
※この解き方のコツは(0, 0, 0, 0)、(0, 0, 0, 1)、(0, 0, 1, 0)…(1, 1, 1, 1)と全部の入力パターン(16通り)で確認を行わないことです。


キーワード
・論理回路

キーワードの解説
  • 論理回路
    デジタル(0と1)の回路です。
    論理回路で使用する記号としては、問題の論理積(AND)・論理和(OR)・否定(NOT)と、排他的論理和(XOR)を理解していれば、後はこの応用で表現できます。否定論理積(NAND、Not AND)などです。(排他的論理もAND、OR、NOTの組合せで表現できますが、排他的論理和として理解しましょう。)

もっと、「論理回路」について調べてみよう。

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