平成20年 秋期 ソフトウェア開発技術者 午前 問72

公開鍵基盤とハッシュ関数を利用したメッセージのデジタル署名の手法はどれか。

 ア  受信者は、送信者の公開鍵とハッシュ関数を用いてハッシュ符合を復号し、メッセージを得る。
 イ  受信者は、ハッシュ関数を用いてメッセージからハッシュ符号を生成し、送信者の公開鍵で復号したハッシュ符号と比較する。
 ウ  送信者は、自分の公開鍵とハッシュ関数を用いてメッセージからハッシュ符号を生成し、メッセージとともに送信する。
 エ  送信者は、ハッシュ関数を用いて送信者の秘密鍵のハッシュ符号を生成し、メッセージとともに送信する。


答え イ


解説

 ア  デジタル署名ではメッセージそのものは暗号化しないので、メッセージには何の処理も行いません。
 イ  受信者は、受信したメッセージのハッシュ符号と、送信者の秘密鍵で暗号化されたハッシュ符号を送信者の公開鍵で復号したハッシュ符号を比較することで、メッセージの正当性を確認します。
 ウ  送信者は、自分の秘密鍵を使用します。
 エ  自身の秘密鍵はどんなことがあっても公開(送信)してはいけません。

[補足]
デジタル署名では公開鍵暗号方式の、『秘密鍵で暗号化したものは対となる公開鍵でしか復号できない。また、公開鍵で暗号化したものは対となる秘密鍵でしか復号できない。』という性質を利用しています。


キーワード
・デジタル署名

キーワードの解説
  • デジタル署名
    通常、我々は正式な文章を書くときには、文書に自筆の署名をしたり、捺印を押している。しかし、デジタル文書では署名も捺印もできないため、文書が正式なことを保証するための手段としてデジタル署名を用いる。
    デジタル署名はハッシュ関数と公開鍵暗号方式を用いて、以下の手順で行う。
    1. 送信する文書のハッシュ値を求め、自分の秘密鍵で暗号化してデジタル署名とする。
    2. データとデジタル署名を相手に送信する。
    3. 受信側は受信したデータからハッシュを求め、デジタル署名を相手の公開鍵で復号した結果が一致するかどうかでデジタル署名の確認を行う。

もっと、「デジタル署名」について調べてみよう。

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