平成20年 春期 ソフトウェア開発技術者 午前 問49

ITILにおける問題管理プロセスとして実施するものはどれか。

 ア  システムダウンから暫定的に復旧させ、業務を継続できるようにする。
 イ  システムダウンに備えて、復旧のための設計をする。
 ウ  システムダウンの根本原因を究明し、抜本的な対応策を策定する。
 エ  システムダウンの発生を記録し、関係する部署に状況を連絡する。


答え ウ


解説
ITILの問題管理プロセスは、サービスの運営の中で書かれていて、問題管理プロセスでは以下の内容があります。

  • 問題の識別と記録
    インシデントレコードを基に問題レコードを起票する。
  • 問題の分類
    問題を分類し、カテゴリ、緊急度、影響度、優先度を設定する。
  • 問題の調査と診断
    問題分析手法を用いて問題発生となった原因の調査を行う。
  • エラーの識別と記録
    発生していたエラーを識別し記録する。
  • エラーの評価
    エラー内容を調査し、恒久的な解決策を検討・立案する。
  • エラーの解決策を記録
    現象の発生する条件などとともに解決策を記録する。
  • 変更要求
    エラー対策の為、変更管理プロセスへシステム変更の要求を行う。
  • 問題解決の進捗監視
    変更管理プロセスを経た解決策に対し、リリース管理プロセスが行う実際の変更作業を監視する。
  • 問題のクローズ
    リリース管理プロセスを経た解決策をレビューし、問題をクローズする。
したがって、問題の選択肢ではウが正解になります。
なお、ア、イ、エの内容はITILの問題管理プロセスには記載されていませんが、システムを運営していくに当たり、実施したほうが良い項目です。


キーワード
・ITIL

キーワードの解説
  • ITIL(Information Technology Infrastructure Library)
    イギリス政府がまとめた、コンピュータシステムの運用・管理業務に関する体系的なガイドライン(成功事例集、書籍)。
    ITILのバージョン3ではコンピュータシステム(サービス)について
    • 戦略
    • 設計
    • 移管
    • 運営
    • 継続的な向上
    の書籍がリリースされています。

もっと、「ITIL」について調べてみよう。

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